2015.03.01(Sun)
ひとひら

note:最後のひとひらが落ちるまで。
茎を伸ばし花びらを広げ、ひかりを、空気をいっぱいに受けようと力の限り
咲ききったチューリップもそろそろ終わり。
ここにある花は終わりだけれど、この子を咲かせたであろう球根は今もどこかで
次の季節への準備をはじめていて、この子の姿は終わるかもしれないけれど
このチューリップを見つめた私の、誰かのなかに無意識のうちに記憶のなかに残る。
ずっとずっと昔、大切な人をなくしました。
何年経ってもその記憶は昨日のことのようにどこかに忘れ物をしてきたような、
ぽっかりとあいてしまったような感覚として残っているけれど
でもそれとは真逆の感覚で、彼は私の心にたくさんの種をおとしていってくれたことを
今になって感じるようになりました。
終わりゆく花も土の中で、誰かのなかで、種となって想いとなってつながってゆく。
3月。ひと雨ごとに春を連れて。